読み終わった「DON'T BE EVIL : HOW BIG TECH BETRAYED ITS FOUDING PRINCIPLES - ALL OF US」

日本では「ビックテックは素晴らしい理念と私たちを裏切った 邪悪に堕ちたGAFA」とタイトル付けされているようです。

 

ホント、久々……、おそらく初めてではないでしょうか。この類の本を読んだのは。

 

ものすごく読み応えがありました。なんせ500P近くありますからね。こんなに長いのは「騎士団長殺し」以来です。

 

私はこの類の本の受け止め方にかなり悩んでいたりします。たとえるなら、「Aさんはこう言ってるけど、BさんはAさんと違うことを言ってる。どっちが正しいの?」って感じです。

 

それを前提にここからのお話にお付き合いください。

 

 

私が驚いたのは、ビッグテックの利益の出し方ですね。話が本当なのか分からない。これはフィクションだよね、フィクションって言って。と思えるくらいです。この本はビックテックのビジネス方法を批判している本なので、誇張している部分はあると思います。ですが、それを差し抜いても、少し怖いと思えるレベルです。

 

具体的には

 

・ユーザーデータを収集(ネット検索とかで)

・それを元にパーソナライズ広告を出す

・そのパーソナルデータを販売する

 

です。簡単に言えば。私の覚えている範囲で。

 

すごいですよね。パーソナライズ広告で広く浅く儲けて、更にパーソナルデータを売って儲ける。恐ろしいです。しかもこれってインターネット網は自前ではないんですよ。つまり、インターネット網の設備投資なしでビジネスができるのです。

虚無ですね。

 

この本でかなり印象に残っている言葉があります。

 

”私たちは消費者ではなく、商品だ”

 

です。

 

この本によると、というよりも世の中の動きを見ていると、データ、特にパーソナルデータが今後の経済成長を握ると言われています。

そう考えると見えてきますよね。この言葉の意味が。

 

私たちが普段生活するだけで、商品としての価値は上がっていく未来があるということです。

 

すでにオンライン上の行動は商品となっているようです。分かりやすい例を挙げると、YouTubeとかの広告やおすすめ動画ですよね。いつも私はクッキーとかは削除する設定で見ていますが、昔はそのような設定なしで見ていました。私はガジェットが好きなので、ガジェット関係の動画やサイトをたくさん見ていました。すると広告やおすすめ動画がガジェット系ばかりになりました。

 

これはもちろんパーソナライズです。

 

グーグルのホームページには「最適な生活をグーグルがサポートします」のニュアンスのことが書かれていますが、要は「あなたの行動を見て、広告うつし、その行動は他の企業に売るよ」ということなのです。

 

タダより怖いものはない、ですね。

 

別に私のデータくらい価値がないから、どうだっていいし。と思う方がおられるかもしれません。別に私はその価値感を否定はしません。ただ、どんな風に使われるかは知っておいた方がいいよ、とは言っておきたいです。知らぬは一生の恥ですし、何か起こった後では手遅れなので。

 

以上、私が読んで思った感想でした。

 

関係ないこと。

 

パソコンをデュアルブートにしました。あと、最近はこの手の本の要約を有料会員制のサイトで公開しているのですね。不思議だなと感じるのは、私が古い人間だからなのでしょう。きっと。

 

最後にこの本のリンクを貼っておきます。

 

bookplus.nikkei.com